金丸 孝治
外壁改修を行うにあたり金丸塗装では見積もり時に外壁の調査報告をしております。
お施主様に今の外壁のどこが劣化しているのか、どのような対策が必要なのかを報告しご納得いただける説明を心掛けております。
このページでは、実際どのような事をするのか掲載します。
目 次
調査内容
調査範囲 | ・外壁、一般鉄部 |
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調査項目 | ・各部位の下地の種類と劣化状態 ・各部位の既存仕上材の種類と劣化状態 |
調査方法 | ・目視及び指触等による調査 |
変褪色
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変褪色の様子1
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変褪色の様子2
状況:塗膜の褪色が見られ建物の美観を損ねています。
原因:紫外線や雨水等の影響により塗料中の樹脂や顔料が劣化し起こるものです。
対策:紫外線や雨水等の影響を受けやすい箇所には、高耐候性塗料(フッ素、シリコン、ウレン等)の採用が必要です。
塗膜の剥離
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塗膜剥離の様子1
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塗膜剥離の様子2
状況:塗膜と鋼材の層間において塗膜の付着力が低下し、一部で塗膜が剥離した状態です。
原因:
・結露や紫外線の影響による塗膜の経年劣化。
・物が当たって生じた傷。等の要因によるものと考えられます。
対策:脆弱塗膜及び密着不良塗膜は完全に除去します。鉄面との密着力にすぐれた仕様の選定が求められます。
発錆
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発錆の様子1
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発錆の様子2
状況:サビの発生がみられます。
原因:鉄が水分や空気中の酸素と反応し、酸化鉄となった状態です。
対策
塗膜の防錆性能は素地のケレン(1種・2種・3種・4種)によるところが大きいので改修時には十分なケレンを行った後に塗装を実施する事が必要です。
総合所見
1.壁面について
■塗膜の状況
塗膜面は、吹付けタイルにより塗装されています。これらの中で美観的な問題としては、
・ゴミやホコリの付着といった経年による汚染
・雨だれ汚染
・酸性雨等の影響による塗膜の変褪色
等が挙げられます。加えて、紫外線や雨水の影響による塗膜の粉状化(チョーキング現象)、変退色が進行しつつある状況であります。これらは美観的な問題のみならず、躯体保護機能の低下にも影響するものであり、適切な修復措置が求められます。
コンクリート無塗装面及び腰壁におきましては、雨だれ汚染、かび汚染等の劣化が顕著に見受けられます。また、貼りタイル面におきましてもごみ・ほこりによる汚染が見受けられ美観回復の為に次回改修仕様を提案いたします。
■躯体の状況
一方、躯体の劣化状況としては、
・クラック(ひび割れ)の補修跡が顕著に見受けられ、美観的な問題のみならず、そこから雨水や大気中の炭酸ガスの浸入を許す恐れがあります。部屋内への漏水あるいは躯体劣化の主たる要因となるものです。適切な補修が必要です。
2.鉄部について
塗膜は雨掛り部を中心に光沢が失われており美観的な低下が見られる他、塗膜表層部の白亜化(チョーキング現象)、変退色が進行しています。
また、排気口カバー、メーターBOX等におきましては、発錆が認められます。このまま放置しておきますと発錆の進行により、美観的な問題のみならず機能的にも支障をきたす恐れがありますので、十分なケレン処理のうえ適切な塗替塗装が必要となります。
鉄部部位は、壁面部位と比較して相対的に劣化の進行速度は早いため、常に健全な美観性、機能性を維持できるように、定期的な塗替計画を立案されることをご提案致します。
総合所見まとめ
建物の表面に塗膜を形成するということは、雨水や空気中の炭酸ガス、紫外線等の浸入を遮る、あるいは和らげるといった効果があります。どんな建物でも時間が経つにしたがって各部位に劣化現象が認められるような状態になります。劣化をそのまま放置致しますと、建築物の価値や寿命が著しく損なわれる為、計画的な維持保全が重要になります。
改修工事は建物の劣化箇所が増えたりあるいは、悪化する程それにかかる修繕費用も増大す為、まだ大丈夫という考えで改修時期を引き伸ばすことは、得策といえるものではありません。
また、塗装による建築物の改修は化粧直しやイメージアップ、更には建築物に新しい機能を付与することが出来ます。つまり、劣化が著しくなる前に適切なタイミング、方法で手当てをすれば経済的で効果的な建築物の延命、イメージアップが可能となるわけです。
赤外線サーモグラフィカメラによる雨漏り診断
赤外線サーモグラフィカメラによる雨漏り診断とは、対象物から出ている赤外線放射エネルギーを検出し、見かけの温度に変換して、温度分布を画像表示する装置あるいはその方法を用いて、雨漏りに利用する調査をいいます。赤外線サーモグラフィカメラで雨漏り調査を致しますと、建物を傷つけることなく、水の通り道や浸入経路を発見する事が可能となります。
実際の現地調査の様子
大阪府泉大津市M様邸の現場調査
今回の外壁塗装を行わせていただいた。M様はお母さんからのご紹介していただきました。築20年以上でセキスイハウスさんの建物になります。
ご訪問時に、外壁を見て、
私「セキスイさんですか?」
M様「わかるんですね〜すごいですね」の会話からはじまりました。
ハウスメーカーさんの建物はけっこうメーカー別に特色があるので、みた瞬間にわかることがあります。
今回は建物の外観、樋の形状、サイディング版間目地が現場打ちシーリングではなく、乾式ガスケットが入ってる為に、おそらくセキスイハウスさんですか?となったのです。
この真ん中にあるものが【乾式ガスケット】です。内側には三重のひだになっていて、少しぐらいの劣化ではあれば、、塩ビ系のプライマーを塗装することでそのまま塗装を行うことができます。
M様邸は6割以上浮いている状態なので、撤去、シーリングにて作業を行う予定です。
ちょうど年代がサイディングの裏にアルミ板が入っている年代と近いので、お客様に了解のもと、少し下の方の乾式ガスケットをはずさせてもらい、アルミ板の確認させていただきました。
このアルミ板がはいっているかいないで、外壁に対して、蓄熱度合いが大きく変わる為に外壁塗装の塗料選びにかかせない調査です。
今回はアルミ板が確認できましたので、蓄熱を予防できる塗料【ガイナ】を推奨しようと思います。
大阪府高石市I様邸の現地調査
2年前に施工させていただいた、高石市のH様のご紹介です。ありがとうございます。本当に過去に施工させていただいたお客様からのご紹介が一番多いので助かっております。
今回のI様のお宅は、ウベハウスさんの建物で、築25年PCパネル構造、屋上露出アスファルト(メルトーチ)、外壁はPCパネルの上吹付けタイルの使用になっております。
築25年ということで、アスファルト防水は耐久性は20年〜30年。トップコートでメンテナンスより、防水層の再構築がもっとも適切な工事です。
施工前の写真になります。築25年なので、塗料自体がだいぶ劣化していおります。シーリングも紫外線が当たるところがかなり劣化しております。
UBEの露出アスファルト防水になります。ジョイントの部分が突き合わせになっており、最初はなんで?と思いましたが、UBEさんに確認すると、ある一時期にやっていた工法であるで現在はやっておりませんとの返事でした。
下に100巾の補強テープがありますので、大丈夫ですが、突き合わせだと、どうしてもジョイントの部分が開いてきてしまいます。
今回の工事では、重なりを作ってジョイントがひらきにくい工法をとらさせていただきます。(標準施工通りです)
外壁の状態です。前全体的に汚れやシーリングの部分はブリードがおきています。
シーリング目地もクラックが入りシーリング自体も劣化しています。
塗膜表面にクラックが入っています。ここまで劣化が進むとセメント系フィラーが必要になります。
エフロエッセンス(エフロ)がででいます。炭酸カルシウムになっているとゆうことです。以上をふまえてしっかりとした、改修工事をできるお見積りを作成したいと思います。
まとめ
外壁・屋根塗装を長持ちさせるためには、塗料選びも重要です。しかし、どんなに良い塗料を塗っても、下地の状態が悪ければすぐに剥がれてくることもあります。
そのため、まずは現地調査でしっかりと建物の状態を把握し、適切な下地処理を考え、建物にあった塗料を選ぶことが重要です。
金丸塗装では、見積り依頼していただいたお客様には現地調査を無料で行い、劣化具合をまとめた診断書をプレゼントしています。ご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。