外壁塗装で使われている塗料の一つである、セラミック塗料というものをご存じでしょうか?
「セラミック」という言葉から、耐久性が高く高性能なイメージを持たれやすいですが、メーカーや製品によって特徴が全く異なります。
また、あまりメジャーな塗料ではないことを逆手に取って、低品質な塗料を高額で売りつけるような悪徳業者も存在しますので注意が必要です。
このような被害に合わないためにも、どのような特徴があるのか事前に知っておくことが大切です。このページでは、セラミック塗料の特徴や費用などについて詳しく説明いたします。
セラミック塗料とは?
セラミック塗料は、簡単に説明すると「セラミックを配合した塗料」全般の総称で、正式名称は「セラミック配合塗料」です。
塗料は、基本的に主成分の樹脂によって「アクリル」「ウレタン」「シリコン」「フッ素」などのグレードに分けられます。
これらの塗料に、砂や石、セラミックビーズなどの無機質の原料を添加したものがセラミック塗料ということになります。
そのため、塗料の耐用年数はベースとなる塗料のグレードによって異なります。
また、セラミック塗料の定義はあいまいで、塗料の中にセラミック成分が少量でも含まれていればセラミック塗料と呼ぶことができるという点に注意が必要です。
セラミック塗料と呼ばれる塗料には4タイプある
セラミック塗料は、主に4つのタイプに分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです。
意匠性を持たせる石調塗料
石調塗料とは、顔料の代わりにセラミックや天然石が配合された塗料のことで、石をまぶしたような立体感のある仕上がりになるのが特徴です。
顔料が入っていないため色あせなどはしにくいですが、セラミックや天然石はデザイン性のために配合されているため、耐久性を高める役割はありません。
石調塗料の耐用年数は、仕上げに塗るクリヤー塗料のグレードによって異なります。
高グレードの無機塗料
無機塗料とは、ガラスや石などの「鉱物」や「陶器」、「金属」などの、炭素を含まない無機物を主成分となる樹脂そのものに配合した塗料です。
無機物の成分に有機物を混ぜ合わせて塗装しやすく加工した無機塗料は、有機物だけの有機塗料と比べて高い耐候性があります。
紫外線の影響を受けにくい無機物を主成分にしているため、塗料の中でも最高グレードの塗料で、耐用年数の長さは20〜25年とトップクラスを誇ります。
低汚染塗料といわれる塗料
低汚染塗料とは、汚れを付きにくくするために、シリコン塗料やフッ素塗料などにセラミックを配合した塗料のことです。
塗料が乾燥すると塗膜表面に親水性の高いセラミックの層ができるので、雨水によって汚れを洗い流し、長期間綺麗な状態を保つことができます。
低汚染塗料の耐用年数は、あくまでもベースの塗料グレードによって異なります。
ガイナなどの断熱・遮熱効果のある塗料
セラミック塗料の中には、セラミックを配合することで断熱や遮熱効果を持った塗料もあります。その中で代表的な塗料が、日進産業の「ガイナ」です。
ガイナは、中が空洞になった特殊セラミックビーズ(中空ビーズ)を主成分にした塗料です。
塗料に配合されたセラミックビーズが塗膜表面に集まることで「中空バルーン層」を作り、その層によって熱伝導率を抑えて真空状態のような外壁や屋根を作り出します。
一般的なセラミックビーズの含有量が、5~20%程なのに対し、ガイナは塗料の状態で60%塗膜の状態で80%と多く配合されているため、断熱塗料の中でもより優れた効果を期待できます。
セラミック塗料の単価と耐久性
塗料名 | タイプ | 耐久年数 | 単価(m2) |
---|---|---|---|
ガイナ(日進産業) | 断熱・遮熱塗料 | 15~20年 | 3,800~4,500円 |
アドグリーンコート(日本中央研究所) | 遮熱塗料 | 8~12年 | 3,000~4,000円 |
ネオフレッシュティアラシリーズ(山本窯業化工) | 石調塗料 | 20~25年 | 4,000~7,000円 |
キクスイスキンコート(菊水化学工業) | 石調塗料 | 15~20年 | 4,000~5,500円 |
無機ハイブリッドコートJY(アステックペイント) | 無機塗料 | 20~25年 | 3,800~5,000円 |
パーフェクトセラミックトップG | 無機塗料 | 15~20年 | 3,800~4,500円 |
水性セラミシリコン(エスケー化研) | 低汚染塗料 | 12~15年 | 1,900~2,400円 |
ファイン4Fセラミック(日本ペイント) | 低汚染塗料 | 15~20年 | 3,500~4,300円 |
セラミック塗料だから長持ちする!というのは間違い?
セラミック塗料の中には、無機塗料のように耐用年数の長い塗料は確かに存在しますが、セラミック塗料=長持ちする塗料といった認識は間違いです。
前述した通り、あくまでも一般的な樹脂塗料にセラミック成分を添加した塗料なので、塗料の耐久性はベースの樹脂によって左右されます。
そのため、もし突然やってきた訪問業者に「セラミック塗料だから耐久性が高い」などと勧められた場合には要注意です。
そのような業者の場合、自社オリジナル塗料やあまり聞きなれないマイナー塗料を勧められるケースも多いですが、一般の方が価格に見合った品質の塗料なのかを見極めるのは非常に困難です。
そのため、業者から魅力的な説明を受けたり契約を急かされたとしても、その場では契約はせずに、相見積もりをとって他の業者と比較しながらじっくりと時間をかけて検討するようにしましょう。
まとめ
今回はセラミック塗料について、お話させていただきました。
セラミック塗料とは、樹脂塗料にセラミック成分を配合した塗料のことを指し、耐用年数は塗料のベースとなる樹脂によって異なります。
セラミック塗料には、主に「石調塗料」「無機塗料」「低汚染塗料」「断熱・遮熱塗料」の4タイプがあり、希望する用途に合わせて塗料を選ぶようにしましょう。
また、セラミック成分の含有量には決まった定義がなく、中にはセラミック成分がほとんど含まれていない粗悪品も存在します。
そのため、セラミック塗料だから高耐久、高機能などとアピールして高額な費用を提示してくるような悪質な業者には注意が必要です。
外壁塗装でお悩みの方は、ぜひ金丸塗装までお気軽にご相談ください!