外壁を手で触ると白い粉が付着する現象を「チョーキング」と言います。チョーキングは塗装を検討し始めるサインでもあるので、原因や改修方法などを理解しておくことは大切です。
チョーキングを知るうえで重要なポイントは以下の通りです。
・チョーキングとは、外壁を触るとチョークのような粉状のものが手に付着する現象
・紫外線や雨風が原因で塗料中の白色顔料が粉状になり、それが塗膜表面にでてきている状態
・補修方法は高圧洗浄で除去し、場合によっては薬剤を使う
このページでは、チョーキングのメカニズムについて説明いたします。
※専門用語での説明になります。普通の説明で物足りないお施主様向けになります。
チョーキング(白亜化)のメカニズム
現象
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手で塗装面を擦ると、主にチョーク状の粉状のものが手に付着します。
塗膜自体に艶が無くなり、色褪せたように見えます。
原因
チョーキングは、経年による紫外線や雨水などの影響を受けることで発生します。
紫外線や雨水を受け続けると樹脂の結合力が低下し、塗料中の白色顔料(酸化チタン)が塗膜の表層から粉状に消耗していきます。
改修方法
高圧洗浄にて洗いながして、チョーキングの除去していきます。薬剤を使う場合もあります。
出来ない場合は、ワイヤーブラシなどで、ケレンにて落とします。
紫外線劣化のメカニズム
では、なぜ紫外線劣化が起きるのでしょうか?
理由は、樹脂の結合が光エネルギー(kcal/mol)に破壊されるからです。
太陽の紫外線は、ある一定はオゾン層に吸収されますが、それ意外の紫外線は地球上に届いてしまい、塗膜の劣化要因となります。
【参考】290nmより短い紫外線はオゾン層に吸収されます。ちなみに可視光線領域400〜700nmです。
アクリル樹脂系塗料は主鎖の結合−C−C−356kl/molの為、紫外線エネルギーによって、劣化の要因となります。
また、フッ素樹脂系塗料の側鎖の結合は−C−F−486kl/molで紫外線エネルギーの410kl/molより高いですが、主軸の結合が−C−C−356kl/molのため、やはり劣化の要因となります。
無機系塗料はフッ素樹脂系塗料より主鎖が435kl/molと低いですが、−C−C−356kl/molが含まれていないため、劣化しません。
まとめ
チョーキングは、塗料に含まれる白色顔料が紫外線や雨風などの影響で劣化し、粉上になって塗膜表面に出てきている状態です。
基本的には高圧洗浄でチョーキングの粉を洗い流しますが、状況によっては薬剤やワイヤーブラシなどを使って除去することもあります。
チョーキングが発生しているということは塗膜が劣化してきている状態と言えるため、チョーキングは塗り替えを検討し始める時期と覚えておくようにしましょう。