シーリングとは、目地部分やサッシ周りに充填してあるゴム状の建材のことです。塗料と同じく、シーリング材にも種類があり、耐用年数や性能もそれぞれです。
シーリングの種類は主に以下のようなものがあります。
・内装や外装の隙間に使用する「アクリルシーリング」
・外装の防水やALC目地、一般塗装下地に使用する「ウレタンシーリング」
・タイル、石材、サイディング目地、ALC目地等に使用する「変成シリコンシーリング」
・外装の防水やALC目地、一般塗装下地に使用する「変成シリコンシーリング(ノンブリードタイプ)」
・金丸塗装がお勧めするシーリング材は、オート化学の「超耐シーラーTF2000」
このページでは、シーリングの種類や弊社で使用している製品などについて紹介いたします。
目 次
一般的に使用するシーリング材の種類
シーリング材には、色々な種類があります。
代表的なシーリング材の使い分けについて…
種類 | ブリード汚染 | 耐候性 | 塗装相性 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
アクリルシーリング | ○ | × | ○ | 主に内装や外装の隙間充填に使用。昔はALCの版間目地によく使われた。 |
ウレタンシーリング | ○ | △ | ○ | 外装の防水、ALC目地や一般塗装下地に使用。加水分解しやすい。 |
変成シリコンシーリング | × | ○ | △ | タイル、石材、サイディング目地、ALC目地等に使用。 |
変成シリコンシーリング (ノンブリードタイプ) |
△ | ○ | △ | 外装の防水、ALC目地や一般塗装下地に使用。 |
一般的なもので、他にシリコンシーリングやポリサルファイドや油性コーキングなど、たくさんの種類があります。
弊社で主に使用しているオート化学さんは、基本的にウレタンシーリングを得意としています。
一般的なウレタンシーリングは耐候性が低いため、紫外線や雨水に弱いんですが、オート化学さんの「サイディングシーラート」「超耐シーラーTF2000」「イクシード」はいずれも耐候性、加水分解に非常に強いという特徴を持ちます。
オート化学さんのシーリングは、他のシーリングメーカーには真似できないウレタンシーリングなんです。その分やはり割高ですが…
当社はオート化学さんの超耐シーラーTF2000もしくはイクシードを推奨しております。
ブリード現象とは
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ブリード現象とは、シーリングに含まれる可塑剤が表面に溶け出して黒ずんでしまう現象のことです。ブリード現象が起こると、美観が損なわれてしまいます。
可塑剤とは、シーリングを柔らかくする為に入れる添加剤です。変成シリコンは硬いので、ほとんどの変成シリコンに可塑剤が入っています。いくらノンブリードの変成シリコンでも…
シーリング(コーキング)材を選ぶポイントは、このブリード現象が起こりにくいシーリング材であることです。
もちろん、シーリングの耐久性なども重要ですが、シーリング材は可塑剤が入っていないノンブリードタイプがいいですね。
オート化学さんのシーリング材は、ほとんどの商品がノンブリードウレタンシーリング材なので、安心して外壁塗装の際に使うことができます。
オート化学の「超耐シーラーTF2000」を勧める理由
一般的にオート化学さんのシーリング材でよく使われているのが「サイディングシーラント」です。
ハウスメーカー等でもネオウレタンとして20年前から扱われているので一番実績があり、オート化学さん=ネオウレタンみたいなイメージがあります。また、一般的なシーリング材より割高なので、ゼネコンさんなどは敬遠しがちです。
じゃあ、サイディングシーラントで良いのでは?と思いますが、サイディングシーラントは元々、塗装用に作られたものではないんです。
あくまで、新築時サイディング用に作られているもので、すべての塗料と相性が良いとは言えないのです。(オート化学さんでは、塗料の相性試験を行ってくれます。)
どの塗料メーカーのどの商品とはここで言えないですが、実際の試験結果で現れています。
そこで、あまり知られていないですが、サイディングシーラントを塗装用に改良したのが「超耐シーラーTF2000」です。
サイディングシーラントと超耐シーラーTF2000のカタログを比較してみます。
【サイディングシーラント】
【超耐シーラーTF2000】
両方のカタログを見ると、サイディングシーラントの方が良いかなと感じますかね。JISはサイディングシーラントは9030、超耐シーラーTF2000は8020ですし…
でもよく見ると、塗装下地に最適と書いてあるは、超耐シーラーTF2000なんです。そりゃそうですね。超耐シーラーTF2000は、サイディングシーラントをより塗装下地用に改良したのですから。
カタログには土木にも大丈夫と明記されていますね。ここがミソなんです。
建築より土木の方がより過酷な状況になります。開発して試験してみると土木にも対応できるぐらいすごいシーリング材が生まれたので、カタログがあんな感じになってしまったのです。
以上のことから外壁塗装を行う際は、サイディングシーラントより超耐シーラーTF2000の方が適していると言えます。
サイディングシーラントが悪いわけでなく、すごく良いものなんですが、より追求すると超耐シーラーTF2000を選択します。
ただ、ひとつだけデメリットがあります。色数が少ないことです。サイディングシーラントは345色もあるのに対し、超耐シーラーTF2000は8色しかありません。
最強のシーリング材!オート化学の「イクシード」とは
イクシードは、ハウスメーカーの長期優良住宅(30年保証)用に開発したのを一般発売したものです。
もうオート化学さんのシーリング材のすごさは、よくわかっていただけたと思います。
発売当初は、性能は良いものの、乾燥が遅く、納期も1ヶ月かかったりと施工する側は正直大変でした。
ここ一年ぐらいでようやく乾燥も早くなり、納期も短くなったので施工する側も安心して工事をすることができます。
イクシードのカタログを抜粋してみました。
やっぱり最強のシーリング材です。
耐候性の良い塗料にもってこいです。本当にずっと柔らかいですし、本当に切れません。
試験片がありますので、ご興味のある方はお問い合わせください。
※もうすぐイクシード+15の改良版であるイクシードが発売されます。なので、イクシードと書かさせていただきました。
オート化学の驚くべきデータ
下の画像は、1年相当の劣化状態を200時間で表したものです。
1000時間:5年相当です。変成シリコン①、②、③は微細なクラックが入り始めています。
3000時間:15年相当になると、他社①は明らかにクラックが起きていますね。
4000時間:20年相当になると、他社変成シリコン①、②、③とサイディングシーラントもクラックが多く目立つようになりました。
ここでも、超耐シーラーTF2000は細かいクラックですね。イクシードに限っては全く異常がありません。さすがです。
この変成シリコンの劣化も、実は可塑剤がだんだんと抜けていった結果、早期に凝集破壊(クラック)が起こったことが原因です。
可塑剤は紫外線が当たると表層に出てきてしまいます。例えば、プラスチック製のゴミ箱などは、屋外に置いていると汚れてきたり(ブリード)、パリパリなる(可塑剤が抜ける)といったことです。
大阪府高石市 I様邸 シーリング超耐シーラTF2000の施工事例
I様邸はPC版が外壁材として、用いられています。
PC版とはプレキャストコンクリートの略で、現場で打設するRC(鉄筋コンクリート)ではなく、工場で予め制作されたコンクリートを持ちこんで組み立てる構造になります。
PC版自体は非常に強固なんですが、つなぎ目や約物と言われる細かい具材が少し弱い場合があります。
もちろん、シーリングはオート化学さんの超耐シーラTF2000です。いまの所、塗装との相性を考えると一番いいです。
シーリング材を持っている塗料総合メーカーからも、超耐シーラーTF2000と自社塗料との相性テストでお墨付きをいただきました。さすがオート化学さんです。
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PC版の爆裂部のKモルタル補修
ベランダの手摺壁の角が爆裂というより、三方から力がかかって、破断した状態になっています。
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PC版の爆裂部のKモルタル補修
撤去するとこのような感じになっています。しっかり無収縮エポキシで下地処理を行います。コニシさんのKモルタルが良いですかね。
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PC版の爆裂部のKモルタル補修
この上の幕板のシーリングから雨漏りが発生していました。先にシーリングを先攻し、漏水部分をしっかり乾燥させてから補修を行います。
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PC版の爆裂部のKモルタル補修
小さな爆裂も見逃しません。PC版構造の幕板にセパレート穴の補修がありますので、一個一個確認していきます。
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PC版の爆裂部のKモルタル補修
Kモルタルのプライマー後、Kモルタル充填します。
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PC版の爆裂部のKモルタル補修
こちらは小さいですが露筋です。30箇所くらいありました。
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PC版の爆裂部のKモルタル補修
ヘラークラックもカチオンフィラーで擦り込みします。
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PC版の爆裂部のKモルタル補修
約物の部分です。高圧洗浄をすると、ピンホールがはっきりわかります。このままではいけませんので、一工程増やします。カチオンフィラーを塗り付けていきます。この段階で、下地処理工程を完全に決めます。
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下地処理
ピンホールが多いので、カチオンフィラー、カチオンシーラー、微弾性フィラー(ウールローラー)、微弾性フィラー(なみがた)を使用します。まずは、ピンホールをカチオンフィラーでしっかり埋めていきます。
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下地処理
ヘアークラックもしっかり一本ずつ擦り込みします。お見積りより下地処理工程が2工程増えてしまいましたが、追加費用は無いのでご安心を。当社のこだわりの下地処理です。
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下地処理
そのまま塗装してもわからないものでもしっかり下地補修します。当社は10年後を想像しながら、一日でも長く持つように下地処理にも気を抜きません。
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シーリング補修
版間目地のシーリングを撤去しています。このL型のカッターナイフは力が入るので、シーリング撤去には最適です。
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シーリング補修
カッターナイフで版間目地のシーリングを除去した後、少し残っているシーリングやプライマー層をスピンカッターで綺麗に除去しています。
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シーリング補修
スピンカッターを用いると、このようにカッターナイフでは取りきれないシーリング、プライマー層も撤去することができます。PC版やRCのシーリング撤去には必要不可欠です。
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シーリング補修
タイル・コンクリート用スピンカッターになります。
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シーリング補修
シーリングのプライマーもたっぷり塗布します。
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シーリング補修
シーリングを打設していきます。
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シーリング補修
シーリングを押さえていきます。
まとめ
シーリングの種類は、主に「アクリルシーリング」「ウレタンシーリング」「変成シリコンシーリング」「変成シリコンシーリング(ノンブリードタイプ)の4種類あります。それぞれ用途や特長が異なるため、施工場所に適したものを選択することが大切です。
また、シーリング材を選ぶときはブリード現象が起こりにくいノンブリードタイプがオススメです。ブリード現象とはシーリングに含まれる可塑剤が表面に滲み出てきて、黒ずんでしまう現象のことです。
弊社では、ノンブリードタイプであるオート化学の「超耐シーラーTF2000」を使用しています。非常に優れたシーリング材で、耐候性が高く、塗装下地にも適しています。
シーリング材の種類は数多くありますので、見積りを取る際はどのようなシーリング材を使用するのかを聞いてみると、より安心して工事を任せられるかと思います。